屈折矯正手術に対する米軍の対応

PRKが確実、LASIKはまあまあ、RKはダメ (2000年1月現在)

 「米軍は屈折手術を奨励し、そのための施設を作っている。パイロットも視力向上のためにどんどんLASIKを受けている」というウワサが世間に流れているため、その真偽を確かめるためにあちこち検索してみました。当科の屈折手術に対する姿勢を考える良い機会でもありました。
 眼科に米軍とは妙な取り合わせなのですが、ウワサの確認だけではなく、商業主義や学術追求とは異なる、実用本位の軍の発想は案外現実的で参考になります。また米軍の医療水準は高く、眼科専門誌にも時々軍医療施設からの論文が掲載されているほどです。
 結果だけまとめると、確かに陸海空軍とも屈折手術センターを運営している。しかし屈折手術には慎重であり、手術を受けるとパイロット任務からは外される、という事がわかりました。

 ただし、PRKに限っては海軍がデータ収集試験に加わることを条件に、実験的に認めています。また海軍は特殊部隊、ダイバーにもPRKしか許可していません。それも術前許可が必要で、復帰前に視機能検査に合格する必要があります。空軍ではPRKに限って海軍同様の条件で限られた人数にパイロット復帰を許可。陸軍はまったく不許可です。
 パイロットや特殊部隊などをのぞく兵士については、一応屈折手術を認めていますが、RKは視力が不安定、眼球が脆弱になる、との理由で海軍は不可、陸空軍も医事委員会の許可がなければ不可、となっています。

 PRKよりもLASIKに厳しい理由は、軽い外傷でフラップがずれた症例があるため、と空軍医療センターが説明しています。また、文脈から判断すると、軍が手術施設を運営している理由は、民間での手術結果に不安があるためのようです。
 というわけで、確かに米軍は屈折手術施設を運営しており、一般兵士の屈折手術に対しては眼鏡やCLが使えない任務に就ける兵士が増えるという理由で肯定的です。しかし、パイロットを初めとする視力要求の厳しい任務にはPRKしか認めず、それも実験的な段階という慎重な姿勢を示しています。
 別に我々が米軍のマネをする必要はまったくありませんが、屈折手術とその選択に対する基本的姿勢は大変健全なものだと思います。当院は医学的事実を基に、そしてこの米軍の姿勢を参考として、屈折手術に対する姿勢を考える事にします。
 参照は、
http://navymedicine.med.navy.mil/PRK/refractive_surgery_information.htm
http://azng.com/EyeSurgery.htm
http://www.afmc.wpafb.af.mil/HQ-AFMC/PA/leading_edge/Nov99/page8.htm 他

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